OUT OF SIGHT!!! Vol.1
OUT OF SIGHT!!! Vol.1

特集「京都と音楽と、この10年」

京都の音楽シーンは、ひとつの転換点を迎えている。

 

日々、その変化を肌で感じていたものの、改めてこの10年を振り返ってみるとあまりの景色の違いに驚かされる。学生が多い街だけあって、シーンの入れ替わりは定期的に発生する。それでもここ1、2年の変化は特に大きく、近年の京都音楽シーンを代表してきたHomecomingsや本日休演・岩出拓十郎の上京、中村佳穂の大躍進にはじまり、COVID-19の影響で移転や閉店を余儀なくされたライブハウスの存在などその変化は枚挙にいとまがない。ただ、変化は急に起きたものではないはずで、気づいたもの、気がつかなかったもの、いろいろあるが、その萌芽はこの10年の間そこかしこの日常に潜んでいたはずだ。

 

私たちが京都を拠点にカルチャーマガジン・ANTENNAを始めたのは2013年。最初の取材は『ボロフェスタ』と『LIVE KILAUEA』という2つの音楽イベントだった。この8年、この街で起こるさまざまな「今の出来事」を見てきた自分たちだからこそ振り返られるものがある。そう信じ、大それたテーマだが意を決して特集に据えることにした。コンパクトシティと言われる京都だが、その実、音楽のシーンひとつとっても豊かで奥が深い。網羅するには紙面も2、3倍の厚みが必要だっただろう。だが、限られた誌面の中で私たちが見てきた景色を誠実にまとめたつもりだ。いつか、誰かがこの10年を振り返ることができる一冊にできればと考えている。だって、この街の音楽はずっと面白かった。

目次

  • いちやなぎとひらまつ –  平成6年生まれのウマが合うふたりの歌い手対談
  • 25万人集まる海外のフェスも、30人規模の地元のハコもやることは同じ – 手探りで進み続ける、おとぼけビ〜バ〜の現在地
  • よそ者がつなげた京都のシーン – 折坂悠太と重奏
  • 9人のエンジニアと、166個の作品たち – あの音源への思い入れを振り返る
  • 「シーン」から「モード」に移ろいゆく – 京都音楽私的大全
  • アーティストが集まる理由 – 代表・番下さんに聞いた、bud musicが描くフラットな関係性
  • 7inch Seriesから紐解くSecond Royalの歩み
  • ぶっちゃけ上京ってどう? – ベランダ×ギリシャラブ×Crispy Camera Club京都発・東京在住バンド座談会
  • 回想、渦巻くシーンの外側で
  • あの頃、部室で – 夜音車・頓宮敦がDo It Togetherにつくりあげた果実と、その界隈
  • 失われた“ジャンク”を求めて – WHOOPEE’Sというハコと、GATTACA/GROWLYのここ最近
  • 京都の〈外〉から来て5年 – 確信とエラーで進む空間現代の現在地
  • カタチを変えて巡り合う、CuBerryと音楽のルーツたち
  • ジャケットで辿る京都名盤100選 2010〜2021
  • 土龍さん、この10年どうやった? – 最小で最愛な私たちのライブハウス、nanoの旅路
  • Explore Kyoto with Data – データで京都を探求しよう
  • 京都ってほんまに音楽の街なん?札幌・仙台・広島・福岡との比較
  • 「京都と音楽と、この10年」を巡るMAP        
  • 美味しい中華といいグルーヴ – 踊る!ディスコ室町のギタリスト・クマ山セイタ、家業を継ぐ
  • 打ち上げはいつも中華。僕らが、〈龍門〉に行く理由
  • 選り抜き!UxDxNのおすすめ中華料理屋紹介
  • 京都のアーティスト/DJが語る2010年代京都ベストライブ
  • わたしの周辺相関図
  • デモ音源にみる隠せないこだわり – アーティストの原点に迫る試聴座談会 with HOLIDAY! RECORDS
  • 京都暮らし2度目のリアリティ – コロナで止まった足を再び闊歩させるために
  • 京酒場の音楽論
雑誌名

OUT OF SIGHT!!! Vol.1


仕様

B5 / 112ページ / フリーペーパー(一部ポスター付き限定版として販売)


部数

1,500部


発行日

2021年10月23日


配布先

京都市内を中心に、全国の文化関連施設等に順次配布予定


(配布場所は随時SNSでお知らせいたします)


発行元

ANTENNA